Otaku Split rev.1 ビルドガイド
Otaku Split 概要
オタクスプリットは「とにかくキーボードをたたき割りたい」人の逃げ場をなくすために設計されたキーボードです。 移行コストを可能な限り下げる工夫を盛り込んであります。「慣れるのが大変そうだから...」なんて言わせません。 「はんだづけはちょっと...」な人のために実装済みも用意しました。スイッチはめてキーキャップ被せるだけ*1で使い始めることができます。
- 普段使っているキーボードとほとんど変わらないスイッチ配置
- 分割時に戸惑いがちな運指分担が重複する6,Y,Bの3キーを両手に配置
一方で、ただ分割しただけではなく、よりモダンな体験が得られる工夫も盛り込まれています。
- スペースキーを細切れにして左右3キーずつ確保したのでモダンな「親指活用」の打鍵体験が得られる
左手33キー右手40キー、合計73キーとなっています。 日本語物理配列を基として、市販の日本語交換用キーキャップのみで足りるように設計をしました。
スイッチはMXスイッチ専用で、スイッチ向きはKailh準拠のいわゆるNorthFaceです。
本記事では利用をはじめるまでの方法を、いくつかの記事に分割して紹介します。
ファームウェア書き込み
組み上げたあとに問題らしい問題が見つからないのに動作しない...と困る場合があります。問題の切り分けを容易にするために、組み立て前にpromicroにデフォルトファームウェアの書き込みを推奨しています。
PCに全く認識されないという場合は大抵はケーブルの不良が原因です。まれにpromicro自体の不良が原因のこともあります。
QMK toolboxをダウンロードする
最新版は0.0.11です(2019/08/02現在)。変更が追えていないので随時修正します。
とりあえずWindowsではウィルス検出がされることになっていますが、これはBootloadHIDをウィルスとして誤検出しているものです。偽陽性というやつです。実際にはウィルスはいないので実行してください。
QMK WEBページからhexをダウンロードする
Keyboard from qmk.fm
がうまく動作しないので、同等であるhttps://qmk.fm/keyboards/
からダウンロードしたhexファイルを使います。otaku_split/rev1
です。
QMK toolboxで書き込む
- Local fileにhexを読み込ませる
- autoflashにチェックを入れる
- promicroにUSBを差し込む
- リセットボタンを押してリセットをかけてちょっと待つ
うまくいかない場合はまずケーブルが通信可能か確認してください。次にQMK configurator自体を再起動してください。リセットを2回連続で押すのも試してみましょう。それでもダメなら念のためArduinoIDEで書き込みをしてみてください(リセット不要)。ArduinoIDEでは書き込めるけどQMK toolboxではうまく書き込めないことはよくあります。
万が一通信可能なケーブルで、通信できないのにpromicroが発熱していたら急いでUSBケーブルを引き抜いてください。不良promicroです。
QMK toolboxの使い方に関して以前書いた記事
はんだづけが必要な部品の実装
はんだづけ後の組み立て
次のステップ
組み立て・動確お疲れさまでした。とりあえず写真を撮影して、#自作キーボード とか #オタクスプリット とタグをつけてSNSに投稿してみてはいかがでしょうか。
色々な意見はありますが、私はキーボードキットのことをPCのベアボーンキットと同程度のものだと思っています。 このキットは適当なMXスイッチとMX用キーキャップ、そしてデフォルトキーマップのファームウェアがあればとりあえずは使えます。しかしそれはキーボードとして最低限の動作はするよ!というだけの、あくまでも最低限のものです。
キーボードキットに手を出してしまうような人間であれば、使っているうちに大小の不満が発生するでしょう。あのキーよく使うんだけど使いやすい場所にないな、とか。このスイッチ重い/軽いとか。このスイッチとキーキャップの組み合わせの音が不満だとか。めんどくさがらずに、不満とその理由を書き出してコストと突き合わせて対策をしていきましょう。「こんなことやってみたよ!」とどこかにまとめて公開すると「そうか!こんなことができるのか!こんなことをしてもよいのか!」と参考に改造するフォロワーがきっと現れるでしょう。きっと想像もできないような魔改造が含まれているに違いありません。楽しみですね!
任意キーマップのファームウェアの作り方
QMK configuratorを使うことを推奨しています。
上記URLを開くと、デフォルトキーマップが読み込まれます。キーマップ一覧からドラッグアンドドロップをするか、キーを選択肢てキーボードの任意キーを入力することで任意位置のキーコードを置き換えることができます。
QMK独自機能も含めた主なキーコードの説明は以下をご覧ください。
また、QMK上では各キーコードはANSIでの内容になります。日本語配列とは表示が異なりますが、同じ位置にあるキーは大体同じキーコードを発行することを覚えておくと何とかなると思います。
編集が終わったらCOMPILEを押してください。芋が焼き終わったらFIRMWAREを押してhexファイルをダウンロードしてください。
もしキーマップを編集していた場合は3. Keymap.jsonからダウンロードできます。次回は右側の上矢印からアップロードすることで、編集した内容を読み込めます。
書込みはQMK toolboxで行ってください。
デフォルトキーマップ
現在初期値がすべてKC_NOになっているので、基本的なキーコードを打ち込むのがめんどくさいという人は以下のjsonファイルをkeymap.jsonとして読み込ませてください。ひな形として使うことができます。一度ダウンロードしてから読み込ませてもいいですが、雲に上矢印のアイコンボタンを押して、gistのrawのURLを入力するとダウンロードせずに読み込ませることができます。
デフォルトキーマップが追加されました。上記jsonとはちょっと違います。
オタクスプリットrev1のQMK configurator向けサンプルキーマップです。keymap. ...
CapsLockの位置にEscを突っ込んであることと、そこら中にLT()が突っ込んであること以外は定番で入れてあります。
出来たkeymapは、保存機能はないのでkeymap.jsonの左側、ダウンロードボタンでjsonファイルをダウンロードしてください。読み込ませることでまた編集することができます。
keymap.jsonボタンの右側にある印刷ボタンから、一覧表示ができます。スクリーンショットを撮影したのち、可能であればkeymap.jsonを添えて #オタクスプリット ハッシュタグを付けて投稿していただけますと幸いです。slackでもお待ちしております。
より複雑な設定
より複雑な設定や拡張をしたい人は、qmk/qmk_firmware
をgit clone
してsh ./util/qmk_install.sh
してmake otaku_split/rev1:default
をしましょう。そのうえでQMKのドキュメントを読んで、独自キーマップを編集してください。
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めっちゃ詳細なものを@k69 氏に書いていただきました。各箇所を写真で詳しく説明していただいています。