天高工房

キーキャップに印字して遊んだり電子工作して遊んだりしたことを書くかもしれません。

体を痛めにくいデスクワーク環境の構築を考える(安い順2番目)

雑に頭の中に入れてただけのものを書き出すだけの記事です。

一回目は以下の記事。

skyhigh-works.hatenablog.com

今回は、2番目に現金出費を伴わない「十分な筋力を持った肉体」の話をするつもりでした。 ただ、考えているうちに「姿勢の知識」と「現状確認と改善」が主であるようになってきたので、そんな感じで書きます。

前の記事で、環境による制限を片付けによってとっぱらいました。 しかしそれでもまだまだ体の痛みは消えません。

主な原因としては冒頭でも述べたように姿勢の知識の欠如と現状の認識間違いがあると考えています。

姿勢の知識

まず姿勢の知識について述べていきます。

大抵の人は姿勢に関して考えたことがなく、また考えたことがある人でも古い考えや間違った考えを持っていることが多いです。

雑に「PC作業 姿勢」などでグーグル検索すると、富士通のウェブサイトが出てきます。

www.fujitsu.com

この記事のセッティングは半分くらいは正しいことが書かれていますが、半分くらいは現実に則していない/古すぎる内容が書かれています。 興味深い内容はディスプレイ・椅子・机ですが、これらはまた別の記事で言及しますのでここでは割愛します。

最近見かけたこの記事の写真が「よくある悪いPC作業姿勢」の典型で、参考にするのにとてもよいです。

theconversation.com

f:id:skyhigh_works:20210809023908p:plain
Open-plan office noise increases stress and worsens mood: we’ve measured the effectsより

何が悪いか見ていきましょう。

  • 首が前に出ている
  • 腰が上を向いている
  • 猫背
  • デスク天板の手前から体が離れている
  • 腕を伸ばしている
  • 腕が浮いている

ざっと見ていくと、大体上記のことに気づくのではないでしょうか。 いっぱいありますね。しかし、これらはすべてただの結果です。部分的に改善しようとしてもまず無理です。 すべて連動しているので、根本解決を目指さない限りとても辛い努力を強いられる割に結果はついてこないでしょう。

ベターな姿勢

現在、ベターな姿勢を簡単に試すには正座をするのが良いと考えています。というか適切な正座のときの上半身を維持できればそれでだいたい解決するという考えです。

正座のときには一般的な表現を使うと次のようになります。

  • 胸を張っている
  • 顎を引いている
  • 腰が前を向いている

私が使う表現を使うと次のようになります。

  • 肩甲骨間を締められている
  • 胸を十分に膨らませられている
  • 腰の上に胸が、胸の上に頭が一直線に乗っていて、頭頂部から吊られるかのようになっている
  • 肘が体より前に出ていない

これに加えて椅子に座る場合は「足をしっかり踏ん張れている」という要素が入ってきます。 基本的にはこれらのことを達成した姿勢をとって作業できれば、痛みとは無縁になれるでしょう。

現実では、この姿勢を維持すると高さが合わなくなることが多いので机の高さなどの調整が必要になってきます。

細かい話

「悪い姿勢」は主に対象が体から遠いことが原因です。

手を左右に降ろした状態で、肘だけまげて肘を降ろしたまま手のひら同士をくっつけようとしてみてください。 肩甲骨の間を締めている場合はたぶん無理です。肘をもちあげて、胸の前くらいまで手のひらの位置を高くするといけるかもしれません。 肩甲骨の間を緩めると、ある程度やりやすくなります。しかしまだ窮屈です。 力を抜いて胸を降ろすと、一気にやりやすくなります。 しかし、胸を降ろすと内臓を支えている筋肉を緩めることになります。 内臓を支えているとは書きましたがこの動きは背骨も支えています。 なので緩めると、背骨の角度もくずれます。 胸が落ちると、背骨がやや前側に伸びるようになります。 結果頭が前に出てきます。 基本的に重いものはできる限り近くで支えないと負荷が多すぎます。 筋肉を伸ばした状態で高い負荷をかけようとすると、大体痛めます。

また、いい感じの姿勢を作るためには、体が柔らかい必要があります。

体を柔らかくする

あえて「体が柔らかい」という曖昧な表現を使いました。 これは現実には3つのパターンがあると考えたからです。

  1. 筋肉が未発達で伸びない
  2. 同じ姿勢を連続でしていたため筋肉が固まっている
  3. 肥満が原因で可動域制限がかかっている

これらを区別しないままに「柔らかく」しようとすると、重大な怪我をする恐れがあります。

番号付きで書きましたが、逆順で説明していきます。

肥満が原因で可動域制限がかかっている

肥満は単なる体重増加ではありません。全身満遍なく一回り大きくなるのです。 これによって、関節を脂肪がないときと同じように折りたたむことができなくなります。 もっともわかりやすいものとしては以下の動作があります。

  1. 左右の足を膝がつく程度に揃えて立つ
  2. 踵を地面から離さないようにしつつ、しゃがめるとこまでしゃがむ
  3. しゃがみ切れなかったら、足を少し開いてもう一度行う(ヤンキー座り系統)
  4. しゃがみきれるまで繰り返す。

十分に痩せていてかつ筋力がある状態であれば足を揃えていても可能です。 逆に肥満度が高い場合は完全に足を左右に開ききった状態になるか、そもそもしゃがみ切れないかと思います。

足回りの肉が原因で左右の足を揃えようとしても肉が邪魔をするということや、腹の肉が邪魔で足と体を畳めないなどが課題です。

肥満の人間は肥満を自覚して可動域制限をあることを念頭に無理のない運動を計画してください。 通常の人間と同じメニューを無理にやろうとすると、脱臼やぎっくり腰などのリスクがあります。

同じ姿勢を連続でしていたため筋肉が固まっている

これは主に縮める使い方をする筋肉で発生します。 PC作業の場合は、手を前に無理に伸ばすために、胸筋など肩と胸を繋ぐ筋肉がガチガチになりがちです。

このケースは、丁寧に伸ばせば緩みます。が、緩めなければ基本的に硬く縮まったままです。 緩めずに大きな負荷がかかる動きをしようとすると、本来使いたい筋肉ではない筋肉が使われてしまい、怪我をする場合があります。

筋肉が未発達で伸びない

筋力不足です。筋力増強をしつつ、伸ばしてください。 私はhouse musicをかけながら静的な柔軟運動をやるのが好きです。

www.youtube.com

支えられる筋肉を作る

歩く

これは非常に単純なアプローチで可能です。 手ぶらでカバンなど持たずに、胸を十分に膨らませた状態で歩いてください。 歩くときの振動に耐えつつ歩く時間だけ姿勢を維持し続けるだけなので、継続して実施すればいい感じの筋肉がつきます。

タイムアタックがおすすめです。 体力と体格次第ですが、3kmを30分以内に歩ききることを安定してできるようにしましょう。 9分/kmくらいになってくると走り出したくなるくらいですが、あくまでも歩いてください。 最終的には5kmを30分で歩きたいのですが、これは普通の歩きの延長でできるのかはちょっとわかりません。*1

参考程度に私の歩く時の感覚を書いておきます。

  • 胸や頭は足や腰の上にあるのではなく、頭・胸がまとめて頭頂部から上に吊られていて、胸から下に足がぶら下がっている
  • 胸より下はすべて足
  • 前に進むときには腰が胸より先行して遅れない程度の意識を作るために腹筋で腰の前側を吊り上げる
  • 能動的に蹴って能動的に地面を迎えに行く

話がまとまらなくてお蔵入りにしそうになってしまったのでとりあえず書ききったことにしました。

負荷のかからない姿勢を覚えるために、3kmを30分以内に歩く練習をしましょう。

*1:アーノルドシュワルツネッガーがあの肉体を維持するためにやってるってマッスルアンドフィットネスで読みました。