天高工房

キーキャップに印字して遊んだり電子工作して遊んだりしたことを書くかもしれません。

体を痛めにくいデスクワーク環境の構築を考える(一番安価な選択肢編)

「デスクワーカーと健康」みたいなタイトルで技術書典で出す予定でしたが、発散してしまってまとめることができませんでした。 ブログに小出しにして後でまとめる、みたいな作戦を取りたいと思います。

毎回思い付きで書きなぐるので整合性が取れない場合がたぶんあります。

また、私は医学を専門的に学んだわけではありません。 主にダンスや体操競技といった運動やデスクワークで様々な体の使い方と様々な怪我をして、人よりも姿勢や体の使い方について考えなければいけない時間が多かっただけです。キーボード作り始めてから切っても切り離せないVDT症候群について調べることがあったというのもあります。 間違った話よりも、いくつか選択肢がありうる中で一つだけを進めることが多いと思いますが、それは単純に被験者数が少ない(n=1, 自分のみ、若干他人に確認した部分もある程度)からです。事例共有していただければそちらに関しても可能であれば追試します。

デスクワーク環境要素

ここではPC作業を前提として考えます。 また、特別に改造を施したような設備のような例外は考慮しません。 思考の結果「このような改造を施すとより楽になるのはないか」という話はします。

まず家具として以下の項目があります。

  • 椅子
  • 照明

次にPC周辺機器として次のものがあります。

  • 外付けモニター
  • 外付けキーボード
  • 外付けマウス
  • モニターアーム
  • ノートPCスタンド/アーム

外付けキーボードのサブカテゴリとして、分割キーボードがあります。

最後に、その他の構成要素として以下のものを考えています。

  • 余裕のある片付いた空間
  • 十分な筋力を持った肉体

今回は一番安く済むものの紹介をしたいと思います。

一番安いのはどれ?

わかりきった話ですね。余裕のある片付いた空間です。散らばってるものを全部箱詰めして積み上げればとりあえずどけることができます。何ならビニール袋にとりあえず突っ込んで積み上げてもいいでしょう*1

片付けの内容・観点は以下の三つです。

  • 机の上が姿勢を阻害しない程度に十分に余裕がある
  • 立ち上がるときに椅子を下げたり回したりしてもどこにもぶつからない程度に片付いている
  • 座って椅子を可能な限り前に移動したときに足の位置がどこであっても邪魔しない程度に足元片付いている

机の上を片付ける

机の上で腕がどの位置にも置ける状態であれば本来とるべきましな姿勢や、疲れてきたときに位置を調整することができます。 比較的わかりやすいですね。机が高すぎるなら肘の位置は外側に取らないといけませんし、低めならせまめにとる必要があります。 作業内容によってもどういう風に手を置きたいかは変わると思います。 散らかっていることによって縮こまったりマウスの場所が変な場所になったりしないことは大事です。

机の周りを片付ける

これは主に椅子の位置の制限や椅子の回転の制限によって姿勢が制限されないことが重要だということです。 過去の労働環境の一つが「その事務所で作業をすると首を非常に痛める」という劣悪なもので、それがきっかけで強く感じるようになりました。 具体的にはその職場は非常に狭く、椅子を少しでも下げると後ろの人の背もたれに椅子の背もたれがぶつかります。 作業はノートPCで、ディスプレイも置いてあることがありましたが標準スタンドです。そして、のちに判明したのですがデスク高さが60cmでした。一般的なデスク高さは70cmです。低すぎるため、椅子を後ろに下げて前傾するか、背もたれをきつく倒して強く後傾するかで調整をする必要がありましたが、どちらも後ろに全く空間がなかったためにできず、上半身を強く丸めて高さを下げるしかありませんでした。 人間は優秀なので、高さに多少問題があっても無意識に調整をしてしまいます。それがたとえ負荷がかかる姿勢でもやってしまうのです。そして知らず知らずのうちに負荷が高い姿勢を続ける状態になっていると体を痛めることになるのです。

非常に極端な例ではありますが、高さ70cmの机であっても体格によって高すぎる低すぎるがあると思いますので同様のことがあると思います。

なので私は机の前には最低でも机の幅x1mほどの何もない空間を椅子置き場として用意することを提案します。 これだけあると、椅子を前後に動かすことによる姿勢調整のほかにもそのまま立ち上がることもできますし、椅子を下げたうえで90度回して横に立ち上がることも余裕です。 立ち上がりにくさはそのまま机に貼りつきがちな状態を作ってしまいます。連続で同じ姿勢をとると負荷が大きいし、立ち上がるのがめんどくさいとゴミ捨てや片付けが後回しにされがちになるので荒れる原因になります。立ち上がりやすくしましょう。

足元を片付ける

足元になにかをばらまいてしまっているなら速やかに片づけましょう。これは当然の話ですね。 ケーブル類も足や椅子に引っ掛かる恐れがあるので机の天板や足に添わせるかケーブルモールやコルゲートチューブを使ってまとめてしまいましょう。

そして以外に思われるかもしれませんが、足元に棚を置いたり段ボールを置いたりしている人はどけてください。足をどの位置に置いても床と壁以外に触れないようにしてください。

足の位置が制限されると姿勢もそれに引っ張られます。踏ん張りやすい位置にあることが理想です。 また、机の天板の端と腹くっついているべきです。これは天板の端と腹の間に距離があると、それだけ首や肩に負荷がかかる姿勢になりうるからです。手を前に伸ばす姿勢はそれだけで猫背を強いられ、負荷がかかります。なるべく左右の肩甲骨の間が締められている状態を維持してください。この状態だと肘の位置がほとんど前に出ず、かつ猫背姿勢を維持することが困難なはずです。 姿勢は連動してるので「これだけ意識すればOK」というものはないですが、猫背対策としては一つの局所解と考えています。

椅子の肘置きを使うという案もありますが、基本的に椅子の肘置きは座面との距離が固定/半固定されてしまっているので、ぴったりあうものを見つけるものが困難です。高さに加えて肩幅も要因に加わるので、自分向けに改造する気合いが求められます。また、腕は体と直角ではなく内側に向いて伸びている方がよいと考えているのですが、そうすると肘置きを内側に向ける必要が発生し、立ち上がり時に干渉します。

椅子の上に足を置く姿勢も猫背の原因になるのでNGです。胡坐系統の姿勢は猫背を強いられます。 どうしても胡坐や類似姿勢的に足を上げてしまう場合は履物を検討してください。床が冷たかったり冷たい風が吹き込んでくるなどで足が冷えて寒いからあげている可能性があります。

今回は最も安価にできるであろう片付けによる身体負荷の軽減の考え・感想を述べました。 私は散らかしがちなのですが、荒れれば荒れるほど体の調子も悪くて辛くなるので集中が切れたタイミングなどで明示的に片づけをするようにして何とかしています。

次は2番目に安価な筋力強化の話をするつもりですが、ひょっとしたらデスクワーカーの肉体に訪れる変化みたいな話をするかもしれません。

*1:どこのご家庭にでもある物流倉庫で使われてるようなコンテナとかで積み上げよう