GH60ケース互換日本語配列キーボード基板「JP60」の興味調査
先日訳あり版としてv1をBoothに出しましたが、改めて興味調査(Interest Check,IC)を実施したいと思います。
フォームはこちら。欲しいと思う方、「ここが変わったら欲しいのにな」と思う方は回答いただけるとうれしいです。2020/08/31を締めきり予定としています。
実施するにあたって、前提の話がありますのでそれをここに書こうと思います。
JP60の概要
JP60は2020年現在の普及配列である、日本語108キーボード*1の60%サイズのキーボード基板として設計しました。 108キーボードのテンキー、カーソルキー領域、ファンクションキー列を削除したような配列が60%配列です。
現在まで、すでに絶版品であるDuckyの60%キーボード程度しか60%の日本語配列キーボードはありませんでした。 私が英語配列を使う気があまりないことと、特に誰も準備していなさそうなこと、そしてどうせやるなら親指いい感じしたいよねということでJP60を設計しました。
特徴は以下の通りです。
- Majestouch/Archissの交換キーキャップを使って定番配列が組める
- 親指に4.5uスペースキーの代わりに1u 4キーを割り当てられる
- 私は左から Delete Space Enter Backspaceを割り当てています
- Deleteが左手で押せるのが一番便利です
keyboard layout editorによるレイアウトは以下。
www.keyboard-layout-editor.com
課題
課題としては2点です。
- キーキャップ
- スタビライザ
キーキャップ
基本的に、販売されているキーキャップセットで揃えられるように設計をしないと、無刻印キーキャップを交えてそろえる必要が発生してしまいます。 幸い、国内でもArchisiteとDiatecがそれぞれのキーボード向けの交換用キーキャップセットを出していて、通販で容易に手に入ります。 これらであれば最低限の記号等は刻印と入力が一致しますので、移行も容易です。
二つ目の選択肢としては、ISO Enter及びHHKB layout向けの右Shiftが含まれていて、かつ最下行の1.25uや1uのキーキャップが多く含まれているキーキャップセットを購入することです。 主にGMKのような高めのキーキャップセットが該当します。GMKであれば多くの物理配列をサポートするオプションが多く存在しています。
三つ目の選択肢としては、DSAやXDAといった、行の区別のないキーキャップセットを使うことです。無刻印のものをうまく使うことで大体の物理配列は網羅することができます。
スタビライザ
3つ提示しましたが、このうちArchisiteとDiatecが採用している4.5uサイズのスペースキーは後者二つには存在しません。 また、国内にしか存在していないことから、キットで使われるスタビライザーには4.5u向けのものはありません。
そのため選択肢として以下の二つが発生します。
- 4.5u向けスタビライザーワイヤーを制作する
- 4.5uキーを使わない
v1では、4.5uキーと1uキー4つのいずれかを配置できるようにしました。プレートもそれぞれ用を用意しました。 また、私が真鍮線を曲げた4.5u向けスタビライザーワイヤーを付属しています。
親指に関して
planck, Ergodoxなどと同様、親指が押せるキーを増やして入力を快適にすることを提案しています。
具体的には2つの役目があります
- よく使うけれど微妙に遠いキーを配置する
- レイヤー切り替えキーとして使う
長押ししたときはレイヤー切り替え、短く押したときはスペースキーというような動作も可能です。
私の場合は左手側の2キーがDelete, Space、右手側の2キーがEnter, BackSpaceとなっています。 これは大体どのキーボードでも左手の親指で、2キー目の位置しか叩いていなかったからです。もうちょっと叩く範囲が広かったりずれている方はほかのキーに/にもSpaceキーをアサインするとよいでしょう。 そして、最近ショートカットキーとして割り当てられることが多いDeleteキーが左手にあるということが私にはすごくうれしいです。何故ならば、右手にマウスを持っている場合に、右手でオブジェクトを選択肢して、手元を見ながら左手で右端にあるDeleteキーを押すということをしなくてもよいからです。
矢印キー
60%配列に矢印を埋め込む場合、右シフトの1.75uが曲者です。2u以上のキーでないと二つのキーには分割できません*2。
左シフトを2.25uから2u(テンキーの0)に変更して、Z行をすべて0.25u左でずらすと、右側の空間が1.75uから2uになるので1u x2にできます。 これは、通常の配列とソケットで両立させることは難しいので、はんだ付け基板のみになる見込みです。
参考までに、Majestouchキーキャップセットのみで取りうる配列を用意しましたのでご覧ください。 親指をすべて1uにするには1キー足りませんでした。もうちょっと何かやりかたがあるかもしれません。
www.keyboard-layout-editor.com
また、最近の流行としては、スペースキーをレイヤーシフトキー兼用とすることがあります*3。いわゆるFnキーと同様でスペースキーを長押ししている間は数字キーをFn(nは1から12までの整数)として扱うような機能です。 フルキーボードから削られてしまったようなキーは、この方法を使って別レイヤーに押し込みます。
別レイヤーでは例えばvi/vimスタイルのHJKLで←↓↑→の移動や、ゲームでよくあるWASDもしくはESDF,ASDFといったキーにカーソルキーを割り当てることができます。 慣れるまでは思った通りに移動することができずもどかしいですが、練習をして慣れるとホームポジションのままカーソルの移動ができるようになるので、独立カーソルキーよりも便利になります。
興味調査のフォーム
基本的には自分用には今回と同じ構成で特に修正はいらないのではないか、と考えています。
どんな構成なら欲しいのか、こんなことはできないの?などご意見ください!2020/08/31を締めきり予定としています。
回答数を製造数の目安にするので、ほしい!って人は回答していただくようお願いいたします*4。
販売開始は10月半ば~11月予定です。
待ちきれない人向け
ミスがあったので手で修正していますが、それ以外はキーボードとして正常に動作する基板です。販売予定額よりちょっと安くしてます。 買っていただけると予算に余裕ができるのでうれしいです。
余談
これまで散々配列研究をしてきた結果、「現在の普及配列をJISと呼ぶのはよくないのではないか」という気持ちが強くなったため、原則「日本語配列」「JP配列」などの言いかえをするようにしています。 いくらかのメーカーのキーボードを見たところ、Appleとバッファローの一部を除いて、108が主流になって以降はJIS配列ではなく日本語配列、型番でもJPなどとなっています。
論拠としては、2020年現在の普及配列はOADG109Aから右ウィンドウズキーを削除した108キーの配列です。これがJIS配列と呼称されることがある配列です。
雑におさらいをすると、以下の要件を満たすものを日本語配列とするケースが多いです。
- ISO同様の拡張キーがバックスペースの左に一つある
- EnterキーがISO Enterである
- 日本語配列独自の拡張キーがスペースキーの左に2個ある
- 日本語配列独自の拡張キーがスペースキーの右に2個ある
- 日本語配列独自の拡張キーが右シフトキーの左に1個ある
- 記号ペアがロジカルペアリングである
そしてJISは国家規格です。「JIS規格の内容を基にしてるからJIS配列」としている人もいますが、規格外のものにJISを冠すると製造業の人に埋められます*5。
JIS規格品には2種類あります。
- JIS適合
- 認定機関によって認定されたもの
- JIS準拠
- 自主検査によるもの
キーボードには認定機関はありませんので自主検査によるしかないのですが、JIS X 6002を一通り読んだ限りだと、1. 適用範囲と6. 適用に関する付帯規則により、OADG109AはJIS準拠であるとは考えられませんでした。 JISはキーボードで初めて読んだのですが、雑に解釈した限りだと、規定されていないキーを追加できる場所に強い制限があるようで、スペースキーと同じ行にキーを追加することができないような書き方に見えます。
普及配列は、JISで規格されてる文字数字記号以外のもののほとんどが置き換わってしまっている上に、規定外の箇所にキーが多数追加されているように思います。
この解釈はあくまでも私の感想ですので、気になる人は以下で X6002およびX4064を検索して読んでみてください。 詳しい人に解説していただけるとなおうれしいです。
ということで、極力「JIS配列」という単語を使うことを避けている状態です。 いずれはJIS準拠物理配列のキーボードを出したいなぁという気持ちがあります*6。
〆
タイピングには体が覚えた相対位置が非常に重要であると考えています。 普及配列の相対位置を崩さないようにすることで打鍵体験を維持してかつ親指の役割強化による利点を提案できるのではないかという思いからJP60を提案させていただきます。
JP60(IC版)組み立て手順
- 全体の流れ
- 念のためファームウェア書き込みの基本手順を確認する
- ピンセットなどで全キー入力ができることを確認する
- スタビライザを取り付ける
- 四隅にスイッチを取り付ける
- 真ん中からスイッチを取り付けていく
- ケースにキーボードを取り付ける
- キーキャップを取り付ける
- ファームウェアを用意する
全体の流れ
- 念のためファームウェア書き込みの基本手順を確認する
- ピンセットなどで全キー入力ができることを確認する
- 初期不良の有無を確定させるため
- スタビライザを取り付ける
- あとから取り付けられなくもないけれど、該当部スイッチは一度外す必要がある
- 四隅にスイッチを取り付ける
- プレートの高さを決める
- 真ん中からスイッチを取り付けていく
- たわみで中心部のスイッチの爪がプレートにかかりにくいことがある
- ケースにキーボードを取り付ける
- ネジ留め6か所
- キーキャップを取り付ける
- 入力確認!
- 完成!
念のためファームウェア書き込みの基本手順を確認する
手順
- 何らかの方法でファームウェア(hexファイル)を手に入れる
- ファームウェアの用意方法に関しては、この記事の最後で紹介いたします
- QMK toolboxをダウンロード・起動する
- QMK toolboxのファイル選択で先に用意したファームウェアファイルを選択する
- QMK toolbox 右上Flashボタンの下にある
Auto-Flash
にチェックを入れる - 基板を裏返した状態でUSBケーブルでPCと接続する
- 基板裏側真ん中らへんにある6個のピンのうち、RST・GNDと対応する文字が読める向きで右端の2穴をピンセットなどの金属で触って短絡させる(リセットをする)
- ピンセットなどの金属を穴から離し、QMK toolboxが書き込みを始めることを確認する
- 書き込みに成功した場合、おそらく次のようなメッセージが表示される
>>> dfu-programmer.exe atmega32u4 erase --force Erasing flash... Success Checking memory from 0x0 to 0x6FFF... Empty. >>> dfu-programmer.exe atmega32u4 flash "\path_to_your_file\jp60_default.hex" Checking memory from 0x0 to 0x407F... Empty. 0% 100% Programming 0x4080 bytes... [>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>] Success 0% 100% Reading 0x7000 bytes... [>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>] Success Validating... Success 0x4080 bytes written into 0x7000 bytes memory (57.59%). >>> dfu-programmer.exe atmega32u4 reset
ファームウェアを更新し、組み立てたあとはスペースキー(長いスペースキー向けのファームウェアだと無変換キー)とBキーを押し続けた状態でUSBケーブルを指し直し、1秒後にスペースキーとBキーを離すとファームウェア書き込みのためのリセットをかけられます。
ピンセットなどで全キー入力ができることを確認する
基板にはまだスイッチが取り付けられていません。スイッチは繋がっていない線を押し込んだ時だけ繋いでくれる部品です。 スイッチの代わりに、金属線や金属製のピンセットでスイッチが刺さるはずの箇所を繋ぐとスイッチを押したのと同じことになります。
裏面から、スイッチソケットの金属部の左右を繋いで、入力されることを確認してください。 一部の特殊な日本語配列のキー(半角全角、英数、変換、無変換、カタカナひらがな)はツールによっては確認できない場合があります。
スタビライザを取り付ける
スタビライザー組み立て
写真のように組み立てます。ワイヤーのサイズによらず、同様に組み立てます。
ワイヤーの取り付けは、プラスチックパーツの状態がペンチで挟んでいる写真のような状態だと取り付けやすいです。
スタビライザーの取り付け
- ワイヤー部分を中央の溝から下にくぐらせる
- スタビライザーのワイヤー側をプレートに引っ掛ける
- 逆側を爪が引っ掛かるまで押し込む
四隅にスイッチを取り付ける
まず、スイッチの脚がまっすぐになっているかどうかを確認してください。ななめになったり、先端が曲がっているようであればペンチでまっすぐにしてください。曲がった状態で取り付けようとすると、スイッチおよびソケットを破損する原因になります。ソケットの刺さらない場所にぶつかって押し込むことになるので、ソケットが基板から剥がれるか、スイッチの脚が曲がるかのどちらかになります。
脚が曲がっている例は次の写真です。
ソケットを抑えながらスイッチを取り付けてください。
写真のような状態になります。
真ん中からスイッチを取り付けていく
写真のような状態からはじめます。
最終的に、カタカナひらがなキーを除いてすべてのスイッチを取り付けます。 カタカナひらがなキーだけ先についているとネジが締めれない恐れがあります。
ケースにキーボードを取り付ける
注意点が1点だけあります。
USB端子が外周から飛び出している形状です。USB端子をケースのUSB端子穴に差し込んでから全体をいれてください。引っ掛かるので無理やり入れようとするとUSB端子を破損する恐れがあります。
取り出すときも同様なのでお気を付けください。
6か所ネジ留めしてください。
最後にカタカナひらがなキーの箇所にスイッチを取り付けてください。
キーキャップを取り付ける
用意したキーキャップを取り付けてください。
これで組み立ては完了です。
ファームウェアを用意する
テスト用ファームウェア
テスト用のファームウェアのURLは以下です。
defaultがスペースキー分割配列用、regularが長いスペースキー用です。
defaultのキー配列は以下から確認できます(keymap.c)。
regularのキー配列は以下から確認できます(keymap.c)。
配列の大雑把な説明
- 表レイヤーは見た通りです。
- 親指が四キーの場合はDelete, Space, Enter, Backspaceです。
- このうちSpace以外は押しっぱなしにしている間レイヤーが切り替わります。
- 長いスペースキーの場合は、スペースキーを押しっぱなしにするとレイヤーが切り替わります。
- カタカナひらがなキーも長押しするとレイヤーが切り替わります。
別レイヤーの内容
- 数字キー+2キーにF1~F12を当てています。
- WASDに矢印キー、QEにPageUpPageDown、RFにHomeEndを当てています。
- GにInsertを当てています。
- Bにリセット機能を割り当てています。
- 誤動作が多いようなら教えてください。デフォルトキーマップから削除します
- HJKLに矢印キー(←↓↑→)を当てています
- 右Alt、App、右Ctrl、ろ に矢印キー(←↓→↑)を当てています。
- BackspaceにDeleteを当てています
- EnterにPrintScreenを当てています
配列の書き換えをしたい場合
現在、QMK本家へのソースコードのマージができていないためソースコードからビルドしていただく必要があります。 ただし、半角全角をEscに置き換えたい、英数キーにCtrlを当てたい、MacOSで使うのでWinキーとAltキーを入れ替えたいなどはキーボード単体でなんとかなるので小ネタで紹介します。
キーボード名はJP60
です。
小ネタ
よく使いそうなものだけ抜きだして紹介します。 他にも色々あるので、詳しくは以下のURLを参照ください
半角全角とEscを入れ替える
- ケーブルを抜く
- スペースキーと半角英数を長押しした状態でケーブルを差し込む
- 1秒程度待って離す
- 入れ替わっていることを確認する
戻すときも手順は同様です。
半角全角は英数キー(CapsLock位置)で代用できるため、60%キーボードではIMEトグルには英数キーを利用して左上はEscにすることを推奨しています。
左Altと左GUIを入れ替える(MacOSユーザ向け)
- ケーブルを抜く
- スペースキーと左Altを長押しした状態でケーブルを差し込む
- 1秒程度待って離す
- 入れ替わっていることを確認する
キーボードへの指の置き方の分類
はじめに
これまで様々な配列やその議論を見る中で、私の研究結果と真逆ともいえる意見を見かけることが度々ありました。 この意見の違いがどこから発生するのかを考えたとき、どうやらキーキャップ上への指の置き方に「スタイル」があり、その違いによるものが大きいのではないか、と考えました。
とりあえず情報公開しないと始まらないと考えたので、列挙だけして公開します。 事実だけではなく、感想/主観も含めているので議論の材料にするときは分けて考えてください。
指の置き方
ホームポジションに指の腹を置く
- 爪が長めの人に多い打鍵方法です。
- 指の腹でキーキャップの天面を押します。
- 指が伸び気味で打鍵をします。
- 指が伸び気味なので、打鍵に使う指の腹を直線状に配置できません。
- 指がホームポジションですでに伸び気味なので、数字キーが遠く感じます。
- 指の長さにあわせて上下位置を調整したColumn-staggered layoutと相性が良いのではないかと考えられます。
- 手の角度がある程度楽になり、小指位置が近くなるAlice layoutとも相性が良いと考えられます*1。
Ortholinearとは相性があまりよくないと考えられます。
マツコみてたらぺかそちゃんはこれでした。
ホームポジションに指の腹でタイピングしてる例
Naked64SF v2
— サルチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2020年7月22日
Kailh Silent Brown
打鍵動画テスト pic.twitter.com/iHaWaOuBih
ホームポジションに指の先を置く
- 爪を短く切っている人に多い打鍵方法です。
- 指を立てて、指先でキーキャップの天面を押します。
- 指は軽く握りこむように丸めた状態で打鍵をします。
- 指の曲げ加減の調整で、打鍵に使う指先を直線状に並べることが用意です。
- 指がホームポジション位置で曲げ気味でまだ伸ばせる余地があるので数字キーは割と届きます。
- Ortholinearと相性が良いです。
- Column-staggered layoutおよびAlice layoutに恩恵をあまり感じられない傾向があると思います。
- 私はこれです*2。
- びあっこちゃんはこれです。
- kinesisは構造の都合で強制的にこちらの打鍵スタイルになります。
ホームポジションに指の先を置いてタイピングをしている例
指を置かない
- キーキャップ天面の印字を見るためにキーボード上に手を置かずに打鍵します。
- キーボードを使う機会が少なく、どこに何があるかまだ覚えていない人が採用することが多いスタイルです。
- hunt and peckと呼ばれることもあります*3。
- 各手の1本または2本の指を使って打鍵することが多いです。
- 広義では、ペンなどを使ってタイピングをするのもこれに分類されると考えます。
- どこに何があるか覚えやすい配列が望ましいので、相対位置の紛らわしさが少ないOrtholinearと相性が良いのではないかと思います。
指を置かないタイピングの例
〆
あなたはどのスタイルだったでしょうか?
向き不向きはありますが、良し悪しは特にないと思います。 最終的には最も慣れている、キーボードを打つということを意識せずに入力が行うことができる方法が最善だと思います。
しいて言うならば、爪は大抵のプラスチックよりも硬い*4ので、長くきれいな状態で使いたいのであれば爪が当たらないような打鍵スタイルにするのが望ましいでしょう。
キーボード選びの参考になれば幸いです。
また、キーボードへの向き合う姿勢は以下のようなことから複合して発生しますので、部分的に無理に変更して体を痛めないように気を付けてください。これに関してはまた別の記事を書きます。
- 机の手前端からキーボードまでの距離
- 利用可能な横幅
- 椅子への座り方
- ディスプレイ位置
- 腕の置き方
参考資料
(WIP)キーボード頻出質問想定回答集
WIP
○○キーはどこですか?
- 全てのキーが○○キーであり、○○キーではありません。
- どこにでもおけます。
- 平面上にどういう風にスイッチが並んでいるか(物理配置)と、どのスイッチを押すとどの記号が入力されるか(論理配置)は関係ないです。
- スペースキーにPrint Screenを配置してもいいです。
- Ctrl+CにCtrl+A, Ctrl+VにDeleteを割り当ててコピペのつもりが全削除、みたいな邪悪なキーボードを作ることもできます。
- プログラムをちょっと書く必要がありますが、「Q,W,E,Rを同時押ししたとき、Backspaceになる」というような挙動も可能です。
MacOS/iOS/androidなどWindows以外でも使えますか?
基本的にそのまま使えます。雑にいうと「USBキーボード」という規格が存在しているので、USBキーボードが接続できるなら基本的に使えます。例外としては、LEDが大量についているようなキーボードだと、「消費電力が大きすぎる」と表示されて使えないことがあります(iOS)。
MacOS/iOS
基本的に同じ位置にあるキーにマッピングされますが、CommandキーとOptionキーは場所が入れ替わったようになります。詳しくは「Mac windowsキーボード」あたりでググるとでてきます。
ぶっちゃけ持ってないのでわからないです。情報か端末をください。
android
特に問題なく使えます。日本語キーボードの場合は以下のURLの手順に従って設定を変更してください。
電子工作したことがないですが組み立てられますか。
段取り次第です。
分かっている人にきくのが一番ですが、分かってる人のもっている情報が古い場合があるので、まずはゴッドはんだ株式会社(ノセ精機)のウェブサイトを一通り読んでください。
ジャンクkinesisを買ったときにやること
この知識をこの先の人生何回使うのかわからないけどメモ。
1uキーキャップを全部外す
メカニカルキーボードは、天地返しをしてキーキャップの裏側にゴミが入った状態で天地を戻すと、キーキャップとスイッチの間/スイッチの天面にゴミが載る可能性があります。天面にゴミが載っている状態でスイッチを押し込むとスイッチ内部にゴミが入る可能性があります。直ちに壊れることはないでしょうが、触感に異常がでるということはありそうなので先に外すのがよいでしょう。
プレートの上のゴミをとる
構造上ごみがたまっています。掃除機やブラシ、スライムなどを駆使して掃除してください。
天地返してネジを6本外す
6本でとめられているだけなので外せばあきます
蓋を外してメイン基板とUSB基板を繋ぐケーブルを外す
裏蓋にUSB基板が別で存在しています。メイン基板とUSB基板を繋いでるケーブルを1本外してください。
このとき、ケーブルを掴んで引っ張るとケーブルを破損する可能性があるので、可能であればIC引抜器をつかってハウジングを掴んで引っ張ってください。
ゴミを掃除する
kinesisのプレートにはスリットがあるため、内部にゴミが入り込みます。掃除してください。
MX Ergoの評価とメンテナンス
MX Ergoの調子が最近悪く感じたので、分解清掃しました。 ついでに購入からちょうど2年だったので、合わせて雑に評価を書きます。
評価というか目次
- 評価というか目次
- 初めてのトラックボールにはおすすめしない
- メイン機でlogicool unifying, サブ機でBluetoothという使い方はそれなりに便利
- 傾斜角20度は便利だけど欠点あり
- 部屋が汚い人はメンテナンス方法を覚える必要あり
- 肝心の分解
- 〆
初めてのトラックボールにはおすすめしない
ぶっちゃけM570tに傾斜切り替えとBluetooth、解像度切り替えがついただけです。 親指トラックボールを評価するだけならM570tやエレコムが最近出してきた親指トラックボールでいいでしょう。
メイン機でlogicool unifying, サブ機でBluetoothという使い方はそれなりに便利
どうしてもメインPCとサブのノートPCで並行して操作をしたいとき、ホイールの手前についてるボタンでUnifyingとBluetoothの切り替えができます。 これがそれなりにレスポンスがよいので、便利です。
ただ、これはUSB switch機などで代替できてしまいますし、そちらのほうが複数USBデバイスをまとめて切り替えられるので便利かもしれません。USBハブも兼用できます。
傾斜角20度は便利だけど欠点あり
実は机の上に手を出したときに手のひらが下を向いている状態というのは、前腕がねじれ切った状態です。 この状態では、肘を上げないと、手首に負担がかかる状態になります。
MX Ergoにはチルト機能があり、M570t同等の角度と、そこから20度起こした角度が選べます。
使ってみるとわかるのですが、起こしたほうが収まりがいいことが多いので、基本的には起こしたまま使い続ける人が多いでしょう。
そして欠点というのは、センサーの角度です。トラックボールは埃や手垢を巻き込むため、使うにつれ動きが悪くなります。トラックボールを使っているならば、支持球の掃除はたびたびおこなうでしょう。
そしてlogicoolのトラックボールは、おそらくごみ排出も兼ねた穴がボールの下についています。MX Ergo はおそらくM570tを流用しているため、水平状態のときに穴が真下に来ます。
つまり、起こして使うときはごみ排出が不十分になるのです。それどころか、よりによって穴の右側にはセンサがあります。センサがおそらく右下45角度の位置から、右下25度程度の位置になってしまうのです。
これによって、通常は穴から排出されるか支持球に溜まるばかりのゴミが、センサにも入りやすくなっています。 結果として、ボールの動きはよいけれど反応が鈍いという状況が発生します。 こういうとき、見に行くとゴミがセンサーを隠していることがあります。
ゴミが入ってしまっている場合は、先が細いピンセットがないと除去が難しいです。逆さにして振り下ろし急停止で吹っ飛ばせることもありますが、ピンセットで抓みだすのがよいでしょう。
さらに次に進みます。
部屋が汚い人はメンテナンス方法を覚える必要あり
この記事を書くことになったきっかけは「ホイールが上向き回転はスムーズだけど下向き回転が空転してるようになることがある」という問題が発生したことです。
分解してわかったのですが、MX Ergoのホイールは保護がない光学式ロータリーエンコーダーでした。
恐らくホイールの左側に投光器、右側に受光機があり、ホイールにはスリットが一定のパターンで入っています。 ホイールが回転するときに、このスリットによって光が抜けたり、スリット以外の部分で遮られたりします。 これによって回転をとっていると思われます。
問題となるのは、ホイールが左右のチルトに対応するために左右に空間が設けられていることです。 ここから内部にゴミが侵入します。 20度傾けているとホイールも20度傾きます。 このとき、上を向くのは凹んでいる側です。 侵入したゴミがホイール内に溜まりやすくなるので、ここにゴミがたまることでホイールの反応が悪くなったり、回らなくなったりするのでしょう。
私のMXErgoには羽毛が入っていました。どうやって...
一応雑に回らなかった報告ないかなーと探したら、amazonレビューに1件はみつけました。
肝心の分解
トルクスドライバーのT6と精密ピンセットが必要です。あとネジを保管しておく容器があるとよいでしょう。
この記事を読んでるような人は、ビット交換式の精密ドライバーセット当たり持っているかと思いますが、これは使えません。本体の分厚い側のネジ穴が奥のほうにあるのですが、ビットの六角部分がぶつかって回すことができません。専用のものを購入してください。
私は以下の物を買いました。サイズ的にはあってるはずなのだけど、ネジ頭に差し込んだときに少し頭が遊んだので他の物を買ったほうがいいかもしれません。
ピンセットはゴミをとるのに使うだけです。なかなかゴミが入りやすい構造をしてるのであったほうがいいです。先が細いやつがいいです。
ねじを保存する容器は、ダイソーなんかの食品コーナーに山積みしてあるタッパーセットの小さいやつが便利です。蓋がきっちりしまる容器に入れておくと、ぶちまけて紛失する事故が起きにくいです。透明なので何が入ってるかもわかります。
分解に関しては以下の記事が写真付きで詳しいです。
内部のFPCケーブル/コネクタの位置関係から、上部ケースを外すときは、使用向きから右側に倒すように開けるとケーブルに比較的余裕があります。コネクタはピンセットで引き起こすとよいでしょう。勢いよくやりすぎると、コネクタのパーツが抜けるかもしれません。
〆
MXErgoは年1回くらい分解清掃してもよさそうな構造をしていることがわかりました。
また、センサーにゴミが落ちやすいのでピンセットを常備する必要があります。
M570tと違って、シールやゴム足を剥がさなくてもネジが全部見えるので分解がとても楽でした。 どうもこれはバッテリー内臓だからのようです。 分解清掃を前提とするならば、バッテリー内臓デバイスがいいのかもしれません。
メンテナンスのことだけ分かっていればMXErgoはいい親指トラックボールだと思います
Otaku split rev1.1の紹介(WIP)
三行
- 基板自体はrev1といっしょだよ
- QMKの便利機能が無効になっていたのを有効にしたよ
- これから組み立てる場合は一部部品を実装しなくてもよくなったよ
ハードウェア的には、rev1の一部部品を実装せずに動作するようになりました。
同梱部品表
番号 | 項目 | 数量 |
---|---|---|
1 | 基板 | 2 |
2 | ダイオード | 80 |
3 | TRRS | 2 |
4 | promicro | 2 |
5 | トッププレート | 2 |
6 | ボトムプレート | 2 |
7 | ねじ 4mm | 28 |
8 | スペーサー 8mm | 10 |
9 | スペーサー 12mm | 4 |
10 | ソケット | 73 |
不要になった部品
- ジャンパ抵抗
- スライドスイッチ
- リセットスイッチ
キーキャップについて
- filco/diatecのMajestouch向けか、アーキサイトの日本語配列のMXスイッチ向けキーキャップが使えます。
- 左右で重複する箇所のキーキャップは、そのままだと足りないのでテンキーやカーソルキーエリアの同じ行にあるキーをカツアゲして使います。
- 最下段の親指/スペースキーがあるべき箇所に置くキーは、下から2行のどちらかにあるキーであれば形状が同じなので同じくテンキーやカーソルキーエリアからカツアゲして使います。
ビルドガイド
左手は33キー、右手は40キーです。
promicroに何かしらのファームウェアを書き込んでみて、promicroに不良がないことを確認します。不良があったら購入先に連絡して新しいものを手に入れてください。
- ダイオードをはんだづけします
- ソケットをはんだづけします
- ダイオードとソケットが正しくはんだ付けされていることをテスターで確認します
- TRRSジャックをはんだづけします
- promicroをはんだづけします
- 右手と左手のpromicroそれぞれに「お前は今から右手用キーボードだ!」「お前は今から左手用キーボードだ!」と教え込みます(ファームウェア参照)
- 実用のファームウェアを書き込みます
- 完成!
ファームウェア
現在このforkリポジトリのotaku11ブランチにあります。
以下のコマンドでビルドできるでしょう。
make otaku_split/rev1.1:default
また、promicroに右手であること、左手であることを教え込むためのファームウェアを用意しました。
以下のコマンドでビルドできます。
make otaku_split/rev1.1:bootmagic
左手の場合は、USBを抜いた状態で英数(CapsLock)と左Ctrlを同時押ししながら左手側にUSBケーブルを差し込むと「お前は今日から分割キーボードの左手側だ!!!」と教え込むことができます。
右手の場合は、同じくUSBを抜いた状態で、Hと7、もしくはEnterキーとCtrlキーを同時に押しながら右手側にUSBケーブルを差し込むと「お前は今日から分割キーボードの右手側だ!!!」と教え込むことができます。
機能の紹介
bootmagicとee_handsを有効にしました。
bootmagicでできることに関しては以下のURLを参照ください。ざっくりできることを書くと、例えば一時的にWindowsキーを無効化したり、英数(CapsLock)と左Ctrlを入れ替えたり、英数(CapsLock)を左Ctrlに置き換えたりなどということがキーマップの再ビルドやファームウェアの書き換えをせずにできます。
WIP