キーボードへの指の置き方の分類
はじめに
これまで様々な配列やその議論を見る中で、私の研究結果と真逆ともいえる意見を見かけることが度々ありました。 この意見の違いがどこから発生するのかを考えたとき、どうやらキーキャップ上への指の置き方に「スタイル」があり、その違いによるものが大きいのではないか、と考えました。
とりあえず情報公開しないと始まらないと考えたので、列挙だけして公開します。 事実だけではなく、感想/主観も含めているので議論の材料にするときは分けて考えてください。
指の置き方
ホームポジションに指の腹を置く
- 爪が長めの人に多い打鍵方法です。
- 指の腹でキーキャップの天面を押します。
- 指が伸び気味で打鍵をします。
- 指が伸び気味なので、打鍵に使う指の腹を直線状に配置できません。
- 指がホームポジションですでに伸び気味なので、数字キーが遠く感じます。
- 指の長さにあわせて上下位置を調整したColumn-staggered layoutと相性が良いのではないかと考えられます。
- 手の角度がある程度楽になり、小指位置が近くなるAlice layoutとも相性が良いと考えられます*1。
Ortholinearとは相性があまりよくないと考えられます。
マツコみてたらぺかそちゃんはこれでした。
ホームポジションに指の腹でタイピングしてる例
Naked64SF v2
— サルチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2020年7月22日
Kailh Silent Brown
打鍵動画テスト pic.twitter.com/iHaWaOuBih
ホームポジションに指の先を置く
- 爪を短く切っている人に多い打鍵方法です。
- 指を立てて、指先でキーキャップの天面を押します。
- 指は軽く握りこむように丸めた状態で打鍵をします。
- 指の曲げ加減の調整で、打鍵に使う指先を直線状に並べることが用意です。
- 指がホームポジション位置で曲げ気味でまだ伸ばせる余地があるので数字キーは割と届きます。
- Ortholinearと相性が良いです。
- Column-staggered layoutおよびAlice layoutに恩恵をあまり感じられない傾向があると思います。
- 私はこれです*2。
- びあっこちゃんはこれです。
- kinesisは構造の都合で強制的にこちらの打鍵スタイルになります。
ホームポジションに指の先を置いてタイピングをしている例
指を置かない
- キーキャップ天面の印字を見るためにキーボード上に手を置かずに打鍵します。
- キーボードを使う機会が少なく、どこに何があるかまだ覚えていない人が採用することが多いスタイルです。
- hunt and peckと呼ばれることもあります*3。
- 各手の1本または2本の指を使って打鍵することが多いです。
- 広義では、ペンなどを使ってタイピングをするのもこれに分類されると考えます。
- どこに何があるか覚えやすい配列が望ましいので、相対位置の紛らわしさが少ないOrtholinearと相性が良いのではないかと思います。
指を置かないタイピングの例
〆
あなたはどのスタイルだったでしょうか?
向き不向きはありますが、良し悪しは特にないと思います。 最終的には最も慣れている、キーボードを打つということを意識せずに入力が行うことができる方法が最善だと思います。
しいて言うならば、爪は大抵のプラスチックよりも硬い*4ので、長くきれいな状態で使いたいのであれば爪が当たらないような打鍵スタイルにするのが望ましいでしょう。
キーボード選びの参考になれば幸いです。
また、キーボードへの向き合う姿勢は以下のようなことから複合して発生しますので、部分的に無理に変更して体を痛めないように気を付けてください。これに関してはまた別の記事を書きます。
- 机の手前端からキーボードまでの距離
- 利用可能な横幅
- 椅子への座り方
- ディスプレイ位置
- 腕の置き方