MX Ergoの評価とメンテナンス
MX Ergoの調子が最近悪く感じたので、分解清掃しました。 ついでに購入からちょうど2年だったので、合わせて雑に評価を書きます。
評価というか目次
- 評価というか目次
- 初めてのトラックボールにはおすすめしない
- メイン機でlogicool unifying, サブ機でBluetoothという使い方はそれなりに便利
- 傾斜角20度は便利だけど欠点あり
- 部屋が汚い人はメンテナンス方法を覚える必要あり
- 肝心の分解
- 〆
初めてのトラックボールにはおすすめしない
ぶっちゃけM570tに傾斜切り替えとBluetooth、解像度切り替えがついただけです。 親指トラックボールを評価するだけならM570tやエレコムが最近出してきた親指トラックボールでいいでしょう。
メイン機でlogicool unifying, サブ機でBluetoothという使い方はそれなりに便利
どうしてもメインPCとサブのノートPCで並行して操作をしたいとき、ホイールの手前についてるボタンでUnifyingとBluetoothの切り替えができます。 これがそれなりにレスポンスがよいので、便利です。
ただ、これはUSB switch機などで代替できてしまいますし、そちらのほうが複数USBデバイスをまとめて切り替えられるので便利かもしれません。USBハブも兼用できます。
傾斜角20度は便利だけど欠点あり
実は机の上に手を出したときに手のひらが下を向いている状態というのは、前腕がねじれ切った状態です。 この状態では、肘を上げないと、手首に負担がかかる状態になります。
MX Ergoにはチルト機能があり、M570t同等の角度と、そこから20度起こした角度が選べます。
使ってみるとわかるのですが、起こしたほうが収まりがいいことが多いので、基本的には起こしたまま使い続ける人が多いでしょう。
そして欠点というのは、センサーの角度です。トラックボールは埃や手垢を巻き込むため、使うにつれ動きが悪くなります。トラックボールを使っているならば、支持球の掃除はたびたびおこなうでしょう。
そしてlogicoolのトラックボールは、おそらくごみ排出も兼ねた穴がボールの下についています。MX Ergo はおそらくM570tを流用しているため、水平状態のときに穴が真下に来ます。
つまり、起こして使うときはごみ排出が不十分になるのです。それどころか、よりによって穴の右側にはセンサがあります。センサがおそらく右下45角度の位置から、右下25度程度の位置になってしまうのです。
これによって、通常は穴から排出されるか支持球に溜まるばかりのゴミが、センサにも入りやすくなっています。 結果として、ボールの動きはよいけれど反応が鈍いという状況が発生します。 こういうとき、見に行くとゴミがセンサーを隠していることがあります。
ゴミが入ってしまっている場合は、先が細いピンセットがないと除去が難しいです。逆さにして振り下ろし急停止で吹っ飛ばせることもありますが、ピンセットで抓みだすのがよいでしょう。
さらに次に進みます。
部屋が汚い人はメンテナンス方法を覚える必要あり
この記事を書くことになったきっかけは「ホイールが上向き回転はスムーズだけど下向き回転が空転してるようになることがある」という問題が発生したことです。
分解してわかったのですが、MX Ergoのホイールは保護がない光学式ロータリーエンコーダーでした。
恐らくホイールの左側に投光器、右側に受光機があり、ホイールにはスリットが一定のパターンで入っています。 ホイールが回転するときに、このスリットによって光が抜けたり、スリット以外の部分で遮られたりします。 これによって回転をとっていると思われます。
問題となるのは、ホイールが左右のチルトに対応するために左右に空間が設けられていることです。 ここから内部にゴミが侵入します。 20度傾けているとホイールも20度傾きます。 このとき、上を向くのは凹んでいる側です。 侵入したゴミがホイール内に溜まりやすくなるので、ここにゴミがたまることでホイールの反応が悪くなったり、回らなくなったりするのでしょう。
私のMXErgoには羽毛が入っていました。どうやって...
一応雑に回らなかった報告ないかなーと探したら、amazonレビューに1件はみつけました。
肝心の分解
トルクスドライバーのT6と精密ピンセットが必要です。あとネジを保管しておく容器があるとよいでしょう。
この記事を読んでるような人は、ビット交換式の精密ドライバーセット当たり持っているかと思いますが、これは使えません。本体の分厚い側のネジ穴が奥のほうにあるのですが、ビットの六角部分がぶつかって回すことができません。専用のものを購入してください。
私は以下の物を買いました。サイズ的にはあってるはずなのだけど、ネジ頭に差し込んだときに少し頭が遊んだので他の物を買ったほうがいいかもしれません。
ピンセットはゴミをとるのに使うだけです。なかなかゴミが入りやすい構造をしてるのであったほうがいいです。先が細いやつがいいです。
ねじを保存する容器は、ダイソーなんかの食品コーナーに山積みしてあるタッパーセットの小さいやつが便利です。蓋がきっちりしまる容器に入れておくと、ぶちまけて紛失する事故が起きにくいです。透明なので何が入ってるかもわかります。
分解に関しては以下の記事が写真付きで詳しいです。
内部のFPCケーブル/コネクタの位置関係から、上部ケースを外すときは、使用向きから右側に倒すように開けるとケーブルに比較的余裕があります。コネクタはピンセットで引き起こすとよいでしょう。勢いよくやりすぎると、コネクタのパーツが抜けるかもしれません。
〆
MXErgoは年1回くらい分解清掃してもよさそうな構造をしていることがわかりました。
また、センサーにゴミが落ちやすいのでピンセットを常備する必要があります。
M570tと違って、シールやゴム足を剥がさなくてもネジが全部見えるので分解がとても楽でした。 どうもこれはバッテリー内臓だからのようです。 分解清掃を前提とするならば、バッテリー内臓デバイスがいいのかもしれません。
メンテナンスのことだけ分かっていればMXErgoはいい親指トラックボールだと思います