天高工房

キーキャップに印字して遊んだり電子工作して遊んだりしたことを書くかもしれません。

【人柱諸兄向け】VirtualPower(α)の組み立て等

天キーで"力"を手に入れた諸兄向けへの記事です。

前準備

qmk_firmwaregit submodule を実行してarmのビルド環境を用意してください。

dfu-programmer を用意してください。qmk_firmware/utils/YOUR_ENVIROMENT_NAME_install.sh を実行したのであればqmk_firmware/utils/YOUR_ENVIROMENT_NAME/downloaded に入っているかもしれません。

組み立て

部品は3種類です。

  • maple mini
  • kailh PCB socket
  • diode(SOD-123規格)

最低限これだけを実装すれば動作します。

部品の向き

ダイオードのシルク向きは ROW2COL になっています。一応動作したのでファームウェアROW2COLで実装しました。主流はCOL2ROWなので今後armでキーボード制作を検討している方は逆向きで取り付けてCOL2ROWファームウェアを作成したほうが良いかもしれません。

もしCOL2ROWで作成する場合は、config.hのdiode directionを書き換えれば動作します。キーマップ定義用のマクロは確か作りました。

ソケットはシルクの通りに置いてはんだ付けするだけです。パッドが狭いため、パッドまではんだが広がったことを確認してください。広がらないままキースイッチを取り付けると、はがれることがあります。

maple miniもシルクの通りに取り付けてください。部品面と、USB端子がそれぞれ外を向く向きです。

option

  • 6x6mmのタクトスイッチが取り付けられます。本体にもリセットスイッチは実装されているので必要な場合のみ実装してください。
  • 横出しのタクトスイッチはフットプリントにミスがあります。取り付けると起動しなくなります。
  • 秋月のUSB-Cブレイクアウトボードを取り付けられるようにしてありますが、動作しません。回路を改善しても動作しないため正式版では追加しないかもしれません。
  • LED stripが取り付けられます。動確はしていません。
  • I2C, UARTの端子を出しています。動確はしていません。
  • kailh ロープロソケットを取り付けられるようにしてありますが、現在単体で購入可能なキーキャップではサイズが合わないキーが存在します(左Shift、Tabの未確認済み)。またプレートは原則MXスイッチ用で用意しています。
  • mid-height向けにプレートを作成すればmid-heightでも動作するはずです(naemcard2x4では確認済み)

ファームウェア

test_arm_project ブランチのqmk_firmware/keyboard/test_arm_project の jisをビルドしてください。ROW2COLで実装してあります。

まだ投げっぱなしなので整理はこれからします。

git checkout test_arm_project
make test_arm_project:jis -j8

github.com

書き込みは、私の環境では以下のコマンドで書き込みをしています。

.\dfu-util-0.9-win64\dfu-util.exe -d 1eaf:0003 -a 1 -D .\test_arm_project_jis.bin

キーキャップ

原則スタンダードなJISです。最下行はRealforce準拠です。具体的には、GUIとappが1u, スペースが1.25u x2、それ以外がすべて1.5uです。

最左列のマクロ列は、1u想定ですが、1.25uまではまります。

その他

プレートが必要であればご相談ください。いい感じの色のやつを用意します🤑。

(動いてよかった...本当によかった...)

【QMK】JPキーコードでキーマップを定義する

とりあえず書いた。

三行

  • 基本のキーコードはANSI準拠で定義されている
  • キーコード自体は共通だけど、OSのキーボード設定次第で同じキーコードでも実際に入力される文字/記号が変わる(だいたい同じ位置なら同じキーコードが発行される)
  • JPでキーマップを定義したい場合は#include"keymap_jp.h"を追加することでJP_XXで定義でき、キーマップ定義と入力記号を一致させることができる

詳しく

USB HIDのキーボードのキーコードはいわゆるANSIと同じ組み合わせで定義されています。標準はANSIと同じ組み合わせです。

キーコードの解釈はOS側に任されているようで、「どの種類のキーボードが認識されているか」によってキーコードが変わります。ANSIを指してもOS側に今接続しているのはJPだと言い張ればGraveは半角全角になります。逆もまた然りです。

JPとANSIと見比べて、同じ位置にあるキーは同じキーコードを発行するようになっていますので、基本的にはANSIをそのままコピーすれば大体JPとして動いてくれます。

ただし、いくつかANSIにないキーがあります。具体的にはJPの「ろ」「_\」、「|\」と、変換、無変換、カタカナひらがなです。これらはANSIには存在しません。ISOだと存在する場合もあるようです。これらには、INT1~INT5が割り当てられています(順不同)。InternationalのINTのようなので、国別の独自追加キー用のものなのでしょう。

さらに、MacOSのかなと英数は別のキーコードが割り振られています。LANG1とLANG2です。Ergodoxが来るまではMacユーザーがあまりいなかったのか動作しなかったようですがmhidakaさんなどのご尽力により動作するようになったようです。

で、国別の変更点を吸収したいという要求は強いようで、quantum/keymaps_extra/以下にkeymap_jp.hなど、各言語用にQMKキーコードをリマップした定義が用意されています。通常KC_XXで定義するところをJP_XXで定義することができるようになります。

github.com

内容を見ればわかりますが JP->KCにリマップしているだけなので特に問題は出ません。

参考資料

JPの記号とUsage Nameとスキャンコードの対照表

USBキーボードのキーコード

この後にこの記事書いたことを忘れて別に書いたJPキーコードチートシート記事

skyhigh-works.hatenablog.com

追記

  • 一部表現を修正しました。
  • JISなんて存在しないと悟ったのでJPに表記を変更しました。

天キー参加者動向調査結果報告

1参加者による勝手アンケートを実施しました。

docs.google.com

多くの方に回答していただくことができ、回答者が100人超えたので大よそ参加者の半分程度が回答したとみなし集計します。

回答いただいたみなさん、ありがとうございました。

回答内容のグラフを雑にコピペして、読み取れることを雑に書いて、たまにポエム書いてます。基本的にはグラフだけ見てください。

天キーはいつ頃知りましたか

回答者の8割は事前に知っていた、という結果になりました。

当日に知った人は1割、枠が埋まってから気づいた人が若干名、補欠がずらーっとならんでから知った、という方もいらっしゃいました。

f:id:skyhigh_works:20181106205455p:plain

天キーをどこで知りましたか

9割twitterです。

Twitter以外のSNS、Discord, キーボードに強く関心のある友人からの紹介がそれぞれ若干名ずつありました。

f:id:skyhigh_works:20181106205508p:plain

天キー参加以前にキーボードキットを組み立てたことはありましたか?

  • 8割があった
  • 1割がなかった
  • 残りはすでに確保していたけれどもまだ作っていないというのと、完成品を買った、ということ

f:id:skyhigh_works:20181106205524p:plain

一番使用頻度が高いキーボードは割れていますか?

皆さん気になっているのはこの設問かと思います。

回答数50程度までは7:3程度でしたが、最終的には6:4になりました。

6割は分割キーボードを使用していますが、4割は割れていないキーボードを使っているということです。割れていない人が私のようにXD75だとかGH60だとかそういうのなのかそれともRealforceやMajestouchなどなのかという設問を作っていなかったため詳細は不明です。

f:id:skyhigh_works:20181106205537p:plain

キーボードの利用頻度が一番高い機会を教えてください(任意回答)

6割ほどは「仕事(プログラミング)」という回答でした。やはりプログラマが多かったのでしょうか。

次点は2割で「仕事(文章入力)」です。入力量が多い人が効率化したいと考えているのでしょうか。

その次はSNS・チャットなど、趣味など、ゲーミングやショートカットキーの入力が主、という回答もありました。これはイラストレータや設計屋さんでしょうか。

f:id:skyhigh_works:20181106205603p:plain

差し支えなければどんなお仕事をされているか教えてください(任意回答)

自由記述のみにしたことをかなり後悔しています。XXXエンジニアやXXXプログラマみたいな回答がいっぱいで集計が大変です。

目視で見た限りだと、大半がソフトウェアエンジニアないしSE、あとは設計開発業務などが8割を超えました。

残りは学生や機械設計、デザイナーに飲食、はては無職まで多岐にわたりました。あと神もいらっしゃいました。

天キーの一番の参加目的はなんでしたか?

一番多かったのが25%「キーボードキットの購入」、次点が19%で「キーボードキット以外の購入」でした。半数弱の方がこの会場で何か買いたいと思っていらっしゃったようです。

また、「ぼくのかんがえたさいきょうのキーボードの見学」「キーボードに関心が強い人たちとの交流」の割合も高めなことから会の名前どおりわいわいしに来た人が多かったようです。

セッション聴講が主な方は7%でした。

f:id:skyhigh_works:20181106205625p:plain

天キーの参加目的はなんでしたか?

こちらは一番ではない、複数回答の項目です。

副目的としては、一番が「キーボードキット以外の購入」と「「ぼくのかんがえたさいきょうのキーボード」の見学」でした。「次点がセッションの聴講」です。

物品購入と聴講、そしてわいわいが目的の人が多かったようです。

f:id:skyhigh_works:20181106205916p:plain

天キーで購入する予定だったキーボードキットはありますか

人気なのはErgoDashと「てんたく」そしてAttack25,ZINCでした。「特に購入する予定がなかった」が1/3程度いらっしゃることから、今までも購入できたキーボードはすでに持っている人が多かったかもしれません。

f:id:skyhigh_works:20181106210233p:plain

天キーで購入したキーボードキットを教えてください

こちらは実際に購入した物品の設問です。

設問設定時にAttack25とErgo42 modulo alphaが設問に追加されていなかったため複数に分散してしまっています。

購入したかったけれどもあまりにも魅力的なキーボードが多すぎて予算の都合であきらめた、という人が多かったのでしょう。予定の回答よりも投票数が少ないキーボードが多かったです。

増えたものとしてはKeyPierce, MiniAxe, Crkbd, namecard2x4, Ergo42 modulo alphaがありました。新顔ばかりなので実物を見て「これは!!!」と思われた方が多かったのでしょうか。KeyPierceはのちの「キーボード以外」でも報告がされているのでここに書かれているよりも率としてはもっとあるようです。

一番最後の異質な「力こそパワー」は私が作ってまだ動いてないけど一応持ち込んだarmの分割スペースJISキーボードのPCBのことだと思います。大きくシルクで「力こそパワー」と書いておきました。早く検証して記事書きます。

f:id:skyhigh_works:20181106210450p:plain

キーボードキット以外で購入を検討していたものを教えてください

何が販売されていたか把握しきれていませんでしたので、思い出せる範囲+見つかった範囲で設問を設定しました。

圧倒的に人気はTaihaoキーキャップ、次点がnilpoさんのケーブルとBLE micro proと遊舎工房キースイッチセットです。次にArtisanやハンドスピナーキーキャップ、そして「無限の可能性」が来ています。

あとkailh speed silver lubedなんてあったんですね。

f:id:skyhigh_works:20181106211153p:plain

キーボードキット以外で実際に購入したものを教えてください。

何も買わなかったが全設問と同数です。買わないと決めてお財布を硬く締めてきた人は緩めずにおうちに帰れたのでしょうか。

前設問から大きく数を伸ばしたのは「キースイッチかわいい同好会」の各製品とkailh speed silver lubedです。

またfoostanさんの自作キーボード設計入門も当日買われた方がいらっしゃいます。

キーボードなのかその他なのか判断がつきにくいようでKeyPierceがこちらにもいくらか投票されています。

f:id:skyhigh_works:20181106211620p:plain

それ以外に購入した物品があれば教えてください(任意回答)

前の一覧から漏れていたものが書かれていました。コンスルー、買っておけばよかった。

あとどこかでロマンが買えたようです。

セッションで印象に残っている部分があれば教えてください

ほとんど「それはそう」で、残りはmonksoffunkさんのopenscadが印象に残った、ということでした。キーキャップがプログラミング言語で記述できることに驚かれた方が多かったようです。

PCB業者のあれこれはこれから印刷したいと思っている方が多いのかとても印象に残っていらっしゃるようでした。

開発者談義はやはりおもしろかったですものね(当日聞けなかったので昨日きいたらすごく面白かった)。

中央に展示されていたもののうち「これはやばいぞ...」と強く覚えている展示があればどんなものであったか教えてください。可能であれば展示名や展示者名も教えてください。ブログにまとめます。ツイートなどのURLなどあるととてもうれしいです。

最後に別節で文章とそれっぽいURLを列挙しますのでここはスキップ。

自由記述欄(私は主催でも運営スタッフでもない1出展者です)

一応作成したものの、主催でも運営でもないので注意書きをいれた設問です。 要約すると以下のような内容が主でした。

  • 最高だった
  • もっと金持ってきます
  • grabbag以外も交換したい
  • キースイッチかわいい同好会やばい

また、この会で(沼に関する)知見を得られたという方もいる一方で、強い人が強すぎて辛い、というような感想もいただきました。めっちゃわかる。

返答ってわけでもない私見ことポエムを書きます。

銀の弾丸こと"end game"を求めて好き勝手突っ走ってるだけなので、適当な落としどころを見つけた幸運な人からフェードアウトするんじゃないでしょうか。人それぞれキーボードに求めることや度合いは違うので他の人を参考にすることはあれど比べてもしょうがないです。

しばらくはErgodoxの血を継ぐ者たちが覇権を奪い合うのではないかと思います。そのあとはどうなるんでしょうね、更地になってタイプライターに戻るんでしょうか。私は好きなフォントでキーキャップ作りつつXD75と戯れていたいと思います。あと検証したい事項があるのでとりあえず光らないJISキーボード作りますね。

やばかったやつ

断片的なのでわかる範囲でまとめて列挙します。そのあとURLを列挙。

「これはこのURLだよ!」とか「これの画像あるよ!」とかリプライいただいたら追加しますね。

Thank you !

  • B-SAKATU

「ここにないけどこれもやばかった!!!追加して!!!」ってのももしいただけたら節を追加して紹介します。

  • タイプライターを改造してキーボードにしたやつ
  • ゆかりさんの280g mint60
  • μTRON
  • jacoさんのキーボード
  • あぷろさんのキーボード卓(1テーブル全部、改造スイッチキーボードなど)
  • IBMキーボード
  • 鋳造キーキャップ
  • BLE micro pro
  • トラックボール付き4%キーボード
  • Blockey Wooden Case Presented by yynmt
  • MT3 keycap
  • ALPSスイッチ展示
  • 銀細工Helix
  • masako v0.9

Boothで買えるキーボードキットまとめ(11/03天キー開催記念)

せっかくだし一覧にします。

在庫がないものは除外しています。

分割キーボード

基本的に明記されていない限りキーキャップとキースイッチは付属していません。別途調達する必要があります。ご注意ください。

booth.pm

booth.pm

booth.pm

booth.pm

booth.pm

booth.pm

booth.pm

25keys.booth.pm

マクロパッド

両方ともすべての部品が揃っているのでとりあえず組み立ててみたい人におすすめのキットです。どちらも作業時間30分程度で済むでしょう。

booth.pm

booth.pm

その他

カニカルスイッチ電卓の「てんたく」を除き基本的にはんだ付け難易度が高めのハードコアなキーボードたちです。可愛い見た目に騙されて泣いている人もいるんですよ!

booth.pm

booth.pm

booth.pm

booth.pm

booth.pm

booth.pm

booth.pm

Booth外

Boothではないですが部品調達で欠かせない国内販売者たちです。

遊舎工房

Helixなどの分割キーボードや、Kailhを中心としたキーボード部品の販売をされています。

Shop | 遊舎工房

TALP keyboard

キーボード部品全般を取り扱っていらっしゃいます。

特に、DSAやXDAといった分割キーボードと相性がよいキーキャップが充実しています。なかなか見つからない刻印済み1uキーキャップも販売されています。

talpkeyboard.stores.jp

続報が聞こえてきませんが、全部品がスルーホール部品のPlanckのキーボードキットを販売予定です。

SMDダイオードのはんだづけをちょっとだけ簡単にする

ある日ふと気づいてやってみたら私は楽になったと感じたので書きます。

SMDダイオードって?

本記事ではキーボードで使用されることが多いSOD-123のダイオードのことを指します。

サイズ感やはんだ付けの様子は以下の動画が分かりやすいと思います。

www.youtube.com

SMDダイオードのはんだづけの難しさ

ぶっちゃけはんだづけ自体は部品が小さくはんだの状況が見えない、ということ以外は難しくないかと思います。

スルーホールに比べて難しいと思われがちですが、手順さえ覚えれば足を曲げたり穴に差し込んで固定をしたりといった作業が不要になるためとても手早く済ませることができます。部品の体積も小さいのでいいことばかりです。

そんな中、私が最も難しいと考えるのは「向きを決めること」です。ダイオードには向きがあります。

はんだ付け作業の簡便化のため、事前に向きを揃えて並べて置き、一気に行うことが多いです。

これがまた辛いのです。小さく軽いため、何かの拍子に動いてしまいます。ダイオードの向きを確認をするためには天面を見る必要がありますが、天面のほうに重心が寄っているため転がりやすいです。中々向きが揃わなくてイライラします。

必要なもの

いつも作業で使っているマスキングテープです。

やりかた

  1. マスキングテープを一度に実装するダイオードの長さだけ切り出して裏返しで机の上に置いて、両端をマスキングテープで机に貼り付けます。
  2. 切り出したリールダイオードの端をめくり、黒い側の端をマスキングテープにくっつくようにひっくり返して置きます。
  3. 一気に保護テープを剥がしながらダイオードテープをマスキングテープに貼り付けるようにします。
  4. ダイオードのテープを外すと、ダイオードがひっくり返った状態でマスキングテープに張り付いています。
  5. ダイオードを上下どちらかに転がして天面を上に向けます。

以上!

想定画像

f:id:skyhigh_works:20181103233858j:plainf:id:skyhigh_works:20181103233902j:plain

感想

マスキングテープの粘着力がダイオードを固定したり動かしたりすることに対してよい塩梅のためとてもよくテープ上に固定しつつ向きを変えることができます。

コツとしては、最終的な向きがどうなるか想像した上で最初に貼り付ける側を選ぶことと、天地を返す前にダイオードを上から抑えてダイオードの天面がマスキングテープにしっかりくっついていることを確認することです。天面の一部しかくっついていなかった場合、不要な方向に回転します。

自作キーボードのファームウェアを用意する手段3種類

現状、自作キーボードのファームウェアはQMKがbetterな方法として選択されています。QMKはとても便利なファームウェアですが、以下の2点から非常にハードルが高いものとなっています。

  1. 手元に開発環境を用意して手元でビルドをする必要がある
  2. キーマップの書き換えに若干のC言語の知識が必要である

今回、沼に沈める一策としてnamecard2x4を開発・販売しましたので、現状取りうる方法を紹介したいと思います。

ゆるふわ手段

相対的にゆるふわです。

具体的には、WEB firmware builderを使うという方法です。WEB firmware builderは現在2種類あります。

WEB firmware builderはhexファイルの生成までを行いますので、書き込みに関しては別のツールを使います。現状ではbetterな方法としてQMK toolboxを使います。

QMK configurator

QMK本家が開発・メンテナンスをしている(っぽい)WEB firmware builderです。qmk/qmk_firmware/keyboardに定義されているキーボードはすべて表示されます。

ただし、常にqmk/qmk_firmware/keyboardと同期しているわけではないようです。namecard2x4のキーボード定義がマージされたあと、しばらくはconfiguratorでは選択できませんでした。10/4にマージされ、10/9の時点で反映が確認できましたので、一週間程度見ておけば反映されそうです。

qmk_firmware/keyboards at master · qmk/qmk_firmware · GitHub

できること

キーマップ配列で定義できる範囲のことは可能です*1。JISでは記号の配置が換わりますのでご注意ください。

日本語入力者のコミッターがいたのか、変換無変換など、日本語専用キーも定義されています。

https://docs.qmk.fm/#/keycodes

現状の課題

Work In Progressとある通り、機能が不安定です。

現状できないこととしては、Load default が機能していません。そのため最初は白紙から始める必要があります。 コンソール部下部のExport keymap Import keymap で保存はできるようですので少し作っては書き出して、次回また読み込んで、と運用で対策するしかなさそうです。

Keyboard firmware builder

サードパーティ製のfirmware builderです。githubソースコードは公開されています。

編集は三種類の方法ではじめられます。

  • preset layoutから選ぶ
  • keyboard layout editorで定義したレイアウトを読み込ませる
  • keyboard firmware builder で作成したキーボード定義を読み込ませる

できること

キーマップ配列で定義できる範囲に比べ、アクションの組み合わせによるマクロの定義、はてはcustom quantum functionまで定義できます。 編集できない部分もあるためフル機能が使えるわけではありませんが*2、QMK configuratorに比べると機能数は多いです。

また、設定はキー配列からではなく、キーとキーの間の配線や行/列がそれぞれどのピンと接続しているかから定義をします。

さらにNum LockなどのLEDや、addressable LEDのピン定義も可能です。

現状の課題

知名度が低いのかどうか分かりませんが全然メンテナンスされていないようです。おそらくANSIのキーのみしか定義がなく、KC_LANG系やKC_INT系に対応していないためJISキーボードを定義することはできないです*3

現状だと日本語入力者にとってはmeishiやnamecard2x4のようなサブキーボード向けでしょう。

また、キーボード定義をKeyboard firmware builder向けに作成する必要があるため、キーボード定義者が専用定義ファイルを用意していなければqmk_firmwareを読んで自分で定義する必要があります。ピン配置はqmkのキーボード定義ファイルのうちのconfig.hのどこを見るかを知っていれば難しくはないですが、レイアウトのワイアリングは大変なんじゃないかと思います。

ハードコア手段(QMK本家が推奨する手段)

qmk_firmwareの開発環境を用意して手元でビルドする方法です。

みんな書いてるし省略してもいいよねそのうち書きます。

*1:自分が知ってる範囲では。

*2:自分の知識の範囲。

*3:知識の範囲

技術書典5 ミニキーボードキットを販売します

技術書典5で出すもの(予定)を紹介します。

ブースは erukiti氏の あ15 東京ラビットハウスです。

キーボードキット namecard2x4

キーボードキット「namecard2x4」を販売します。

日本式名刺サイズに8キーが載ったコンパクトなキーボードです。

必要な部品はすべてそろった*1キットですので、はんだづけ道具だけあれば追加の部品を調達する必要はありません。

価格は4000円を予定しています。数量は合計30セットです。

プレートを追加してキーキャップ色も変更することにしましたので価格を5000円に訂正します。プレートとキーキャップの色の組み合わせを三色用意しました(チョコミント、ワインレッド、ハニーマスタード)。各10セットです。

f:id:skyhigh_works:20181003015547j:plain f:id:skyhigh_works:20181005002443p:plain

差別化部分

キー数が少ない

たった8キーしかないので、はんだ付け箇所が少ないです。そのため、組み立ては20分程度で終わる見込みです*2。入門にはちょうど良いのではないでしょうか。

8キーしかないので、何かちょっとしたショートカットキーや入力に手間取る記号やemojiなどを入れてもらう利用を想定しています。

自作キーボードで利用されるファームウェア「QMK」はとてもパワフルなので、想像よりも色々なことができます。

Ctrl, Shift, Altなどとの組み合わせは当然として、音量操作やマウス操作もできてしまいます*3C言語がちょっと書ける人であれば、一連の操作の組み合わせや定型文の入力といったことも1キーに実現できます。

ホットスワップ対応

ホットスワップ対応にしました。組み立てたあとでもキースイッチを交換することができます。

技術書典向けには国内で入手が容易なキースイッチのうち、価格が安めのものを8種類1個ずつ付属させます。一個50円程度で10個単位で調達可能ですので、好みのキースイッチに後から置き換えてもらおう、という考えです。

ホットスワップは保持の仕方によってはスイッチが抜けやすいです。しっかり固定したい人向けに、基板に直接はんだ付けをすることもできるようになっています。

RGB LED対応

WS2812やSK6812などのいわゆるaddressable LEDに接続できるパターンを用意してあります*4。パターン自体はスルーホールを1セットしか用意していないのでテープ状のものが必要です。ケース次第ですが、本体下部を景気良く光らせることができるようになります。

miniUSB

自作キーボードではpro microを使用するケースが多いです。しかし、pro microのコネクタのmicroUSBはねじりなどに弱く、コネクタがもげてしまう問題がたびたび発生しています。今回はminiUSB版pro microを採用しましたので比較的もげにくいだろうと予想されます*5

ケースの自作

91x55mmと小さいサイズですので、通常のキーボードに比べてケースの作成が容易です。特に、四隅にネジ穴をあけてありますので、サンドイッチ式のケースが作りやすくなっています。ケースカット用のSVGや寸法データは追って公開する予定ですので、好きな素材で好きな色のケースを作ってみてはいかがでしょうか。

本当はMDFのケースを付属させたかったのですが、価格が現在よりも2000円程度高くなる見込みだったため断念しました。キットとは別に若干数だけ用意させていただきます。 1000円程度の追加で済む方法が判明したため価格が上昇しますが、トッププレートとボトムプレートをスペーサーとネジを使って挟み込むタイプのケースを付属させました。

付属ケース

f:id:skyhigh_works:20181005005846p:plain

ケース作例1

f:id:skyhigh_works:20181003015551j:plain f:id:skyhigh_works:20181005010112p:plain

SMDダイオード

スルーホールのダイオードが嫌いなのでSMDダイオードのみ取り付けが可能です。はんだ付けの手順を知っていれば取り付けは難しくないです。やっていきましょう。

最大二つまでマイコンを搭載可能

マイコンボードを最大二つまで搭載できるようになっています。用途ごとやOSごとに異なるファームウェアを使いたい場合に便利かもしれません。

ストラップ化

2mm径のボールチェーンが付属します。ボールチェーン向けの穴をあけてありますので鞄などにぶら下げることができます。

WEBビルド環境の用意

自作キーボードでよく使われるファームウェア「QMK」では、キーマップを書き換えるだけでも自分のPC上に開発環境を構築し、キーマップを書きかえてコンパイルする必要があります。そのためハードルが高かったのですが、namecard2x4向けにWEB上でキーマップを定義し、ファームウェアファイルを用意できる方法を紹介します。書き込みツールが別途必要ですが、実行ファイルを使ってインストールするだけなので非常に簡単です。

ファームウェア書き込み方法の記事を作成しました。

skyhigh-works.hatenablog.com

先行事例

たのしい人生のmeishiに対抗した形になります。

biacco42.hatenablog.com

あと、作ってからLaunchpadの存在を知りました*6

Launch Pad v2 – SpaceCat Design

組み立て方

文章メインですが、別記事で作成しました。

skyhigh-works.hatenablog.com

また、@sirojakeさんにビルドログを書いていただきました。

qiita.com

その他持ち込み予定など

erukiti氏にお願いをして、お手伝いする代わりに販売をさせていただけることになったのですが、erukiti氏が今回javascriptのやばそうな本を合計1000部ほど印刷するそうなので邪魔にならないように細々と販売したいと思います。

* QMKの薄い本(進捗ダメです) 500円

  • 印字済みキーキャップ 5個1000円~
  • 謎のPCB 500円
  • 訳あり仮組み上げ品6000円

*1:miniUSBケーブルは付属しません

*2:私は10分くらいで終わった

*3:https://github.com/qmk/qmk_firmware/blob/master/docs/keycodes.md

*4:LED自体は付属はしない予定

*5:実績が少ないためどの程度もげにくいかは不明

*6:本当です。「どうしよう...どうしよう...」ってなりました。