趣味レベルのはんだ付けのための道具の話
結論は他の人と変わりないですが、過程はあまり述べられていない点を含みます。
はんだごてはよいものを買え
はんだこてはよいものを買えといわれます。ホームセンターにも置いてあるような1000円そこらのはんだこてと、専門店くらいでしかかえない5000円くらいのはんだこては何が違うのでしょうか。
参考文献を読んでもらうと概ね解決しますが列挙したいと思います。
安いはんだこて(ニクロムヒーター)
安いはんだこてはこて先にヒーターを巻き付けて、電気を流してそのヒーターを加熱することでこて先を温めるタイプです。このタイプはワット数で性能が表記されます。
時間が経過するにつれて温度上昇をします。5分ほど放置すると十分に温まり、安定したはんだづけができるといわれています。触って火傷しない程度にまで冷めるのも遅いです。
ただし、こて先の温度は外部温度計を使わない限り不明です。また、加熱量が常に一定のため、はんだづけを繰り返すと温度が下がってきます。温度を上げるには待たなければなりません。
高いはんだごて(セラミックヒーター)
高いはんだこては、棒状のヒーターにこて先をかぶせるタイプです。温度計がついており、温度を常に監視しながら加熱量が調整されます。
構造上こて先が小さくなりますので、指定した温度までの上昇時間が非常に早く、30秒程度で使えるようになります。また、同様の理由で冷めるのも早く、片付けも早くできます。
比較から得られること
安いはんだこてと高いはんだこての特徴を比較すると以下のことが分かります。
- 高いはんだこては短時間の利用に向いている(温度上昇/下降が早いため)
- 高いはんだこては安定してはんだづけに適した温度で作業し続けることができる(温度管理がされているため)
作業時間が限られている趣味人にとって、例えば「4ピンのピンヘッダをこの部品に取り付けたい」だけのときに温度が上がるまで5分待ちつつスポンジに水をいれ、はんだこての機嫌を見ながらはんだづけをし、電源を抜いて冷めるのを待って片づける、なんてことはやってられません。もし冷めるのを待ってる間につけ忘れや失敗に気づいたら、追加で待ち時間が発生します。
こてをセットして30秒待ってはんだ付け30秒、電源を抜いたらこて先カバーを取り付けてそのまま片づける。つけ忘れがあってもまた出して作業してすぐ片付けられる。これだけで余計に金を払う価値がある程度に非常に嬉しいことだと思います。
また、高いはんだこては指定した温度を可能な限り維持してくれるので、はんだ付けの品質が安定します。適切な温度を設定している限り、初めてはんだ付けする人でも教科書的な綺麗なはんだ付けができてしまうくらいです。
安いはんだこてに関する実体験
細かい理由は述べませんが、ニクロムヒーターのはんだこてはとにかく「はんだづけの悪い例」を量産することが得意です。温度が低すぎてはんだがとけなかった場合は温度上昇までしばらく待つ必要があります。5分単位となるとずっと張り付いているのも馬鹿らしいので、ほかの作業をしながら待つことになります。しかし、待ちすぎると逆に温度が高すぎてプリント基板や部品を焼いたり、はんだをはんだ付けに適さない状態にしてしまいます。
「うまい人はスポンジの水で温度調整をしてうまくやる」みたいなことをいう人もいますが、安定して高品質なはんだづけをできるようになるまでどれだけの時間をかけるつもりですか?
自称電子工作を長くやっている人でもかたくなに「高いはんだこては必要ない。この30Wのこてがいい」みたいなことを言い続ける人がいます。そんな人に限って「いもはんだ」を大量に発生させ、機器の動作不良を起こします。
また、過加熱でこて先をダメにして買い換える、ということも度々されていました。セラミックヒーターのはんだこて2本くらい買えちゃう費用払ってますね。
はんだ付けをよく知らなくてしばらくニクロムヒーターを使わされ続けた時期もありましたが、うまくやる方法を調べてセラミックヒーターを知ってからはすぐに購入し、以降ニクロムヒーターは一度も使っていません。
まとめ
- 趣味人だからこそ時短と品質安定のためにセラミックヒーターのはんだこてを買え
- ニクロムヒーターのはんだこては比較用に一本買ってみてもいいかもしれないけど金の無駄だからやめたほうがいい
参考文献
おすすめリスト
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今のところ紹介している人を見たことがないですが、amazonではこて台とこて先クリーナー、こてカバーをセットにした販売があり、これが非常に安いのでお勧めです。 FX-600、定価5000円超えてるはずなんだけど...
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また、こて先は最初からついている円錐型のこて先(B型)よりも、接面積を大きくできる円錐を斜めに切った形のこて先(C型)がおすすめです。一般的な2.54mmピッチ用のピンヘッダのはんだ付けなどであればサイズはC2がよいでしょう。FX-600対応はT18シリーズなので型番はT18-C2になります。
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はんだこて一式以外に、フラックス、はんだ吸い取り線、はんだ吸い取り器、ピンセット、ニッパ、ラジオペンチが度々必要になります。ピンセット、ニッパ、ラジオペンチはとりあえず100円ショップにあるやつでよいです。補助道具なのではんだ付けの品質自体に大きく影響をすることはありません。必要になったら必要な特性を持った製品をを手に入れましょう。
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はんだ吸い取り器はヒーター内臓のものもあります。私は使ったことがないですがとても便利らしいです。
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また、部品を固定するためにマスキングテープをよく使います。サードハンドなどと呼ばれる補助器を使うことよりも私はマスキングテープで固定してしまうことのほうが多いです。
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テープを片手で切断するために、据え置きのテープカッターがあるとよいです。おすすめはカルカットです。非常に軽く切れる、重量があるので動かないなどとても優秀です。ホルダーが二重構造で、内側にマスキングテープのように芯の径が小さいテープ、外側に大きいセロハンテープのように径が大きいテープを付けて使いかえることができます。私は外側にはポリミイドテープを付けています。ハンディタイプもあります。
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