microUSBケーブルを作る
サポート記事です。
必要なもの
消耗品
- 適当なケーブル
- 適当なパラコード
- 適当なTypeAコネクタ
- 適当なmicroBコネクタ
- 適当な熱収縮チューブ
道具
- マスキングテープ
- ニッパ
- カッター
- はさみ(たちばさみが望ましい)
- ラジオペンチ
- ヒートガン、はんだごてなど高温で加熱できる道具(なければ火であぶる)
- はんだごて(はんだづけが必要なコネクタのみ)
オプション
- PET sleeve
始める前の注意
ケーブルを作るときは、可能な限りカメラを使って記録を残してください。 何故ならば、基本的に「被せる工程」の繰り返しなので、前工程の処理を確認するためには破壊的な分解が必要だからです。 特に、ケーブルの芯線とコネクタの接続順はとても重要になります。
ケーブルに限らず、録画なり要所要所の写真撮影をすると便利です。
記録の重要さを示すため、本記事では写真による説明を行いません(嘘です後で追加します)。
やりかた
ケーブルを切る
必要な長さに切ってください
パラコードを切る
ケーブルより幾分長めに切ってください。2割くらい切っておくと長さが足りない、ということはないと思います。
パラコードから芯線を引き抜く
パラコードは中に芯線が何本かはいっています。抜いてください。
抜いた芯線は使わないので捨てて構いません。
パラコードにケーブルを通す
1番時間がかかる工程です。
蠕動運動的にケーブルを入れていきます。
弛ませてなじませる、を繰り返すと徐々に入っていくと思います。
注意点としては、ケーブルの被膜が引っ張られて途中でケーブルの芯線がむき出しになり、パラコードに刺さることです。 引っ掛かるな、と思ったら十中八九芯線が刺さるようになっていますので、あきらめてケーブルをパラコードから全部抜いてください。そして、芯線にマスキングテープを巻き付け、引っ掛かりが少なくなるようにしてください。
完全にケーブルの両端が覆われるまで通すことができたら完了です。
両端を処理する
パラコードのたるみをとった上で、パラコードのケーブルより長い部分を切り捨てます。1cm程度ケーブルが見えるように切り捨ててください。
切り捨てたあとは、今後の作業でずれないようにマスキングテープで仮止めしてください。
TypeAコネクタを取り付ける
今回ははんだづけしないタイプのコネクタを使います。
被覆を剥く
取り付け側の外側の黒い被覆を12mm程度剥いてください。
不要物の切除
被覆を向いたら内側の金属シールドをめくって被膜と同様に切除してください。
中心に被覆付き銅線と別にワイヤーがはいっているので、被膜同様に切除してください。
中心の4本の銅線の被膜は剥きません。
差し込み
typeAのコネクタはよく見るとRWGBと線色の指定があります。指定通り、赤白緑黒の順で差し込みます。差し込む際長さが揃ってないと奥まで入らないので、赤白緑黒の順で線をそろえて、長さが揃うように先端を切断してください。10mm残れば問題ありません。
差し込む時、スリットから被覆の色が見えるまで押し込みます。押し込めないようであれば一度引き抜いて外側の被膜を追加で剥くなどしてください。
スリットから見える程度まで差し込みましたら、ロックを掛ける前にハウジングの位置確認をします。
ハウジングの先端とコネクタの先端位置を揃えて、根元の位置を比べます。ハウジングの根元のケーブルを囲うような部分が外側の被覆がある部分を保持できていればそのまま続行します。被覆を向いた部分と被っているようであれば、芯線を長く残し過ぎています。一度引き抜いてぎりぎりまで切除してください。具体的に外側被覆を保持できていないと何が問題かというと、ケーブルをねじったときにコネクタを持ってねじると芯線をねじるように力がかかり、最終的に芯線がコネクタから抜けてケーブルが死にます。適切に かしめてあれば
コネクタを持っても外側被膜ごと動くので死ににくくなります。
コネクタのロック
長さが適切であればロックします。ロックは、手で押さえてもいいですがたぶん無理です。ラジオペンチなどでは斜めに力がかかるのでプラパーツが割れます。あて布をして上から軽めに殴りつけるのがよいでしょう。この作業で芯線に刃を立てて電気的接触が確保されます。
ハウジングをはめる前に、パラケーブルの終端処理と熱収縮チューブの準備をします。パラケーブルごとかしめる場合は外側被覆の端に合わせてマスキングテープで固定してください。そのうえでどれくらい熱収縮チューブをかぶせるか決めて適当な長さに切断してケーブルに通してください。
ハウジングの取り付け
ハウジングを90度近くまで開いてください。開く側が上です。
USBコネクタを差し込んでください。このときロックが甘いと引っかかります。何とか押さえつけて押し込んでください。適切にロックがされている場合はするっと入ります。
コネクタとハウジングの先端が揃ったらハウジングを締めます
ハウジングを締めたら、根元をラジオペンチかなにかで締めます。本当は専用の圧着工具があるはずですが、わかりませんでした。ラジオペンチでもとりあえず締めておけばオッケーです。このとき、でっばりがあると熱収縮をかけたあとにとても目立ちます。
ハウジングのかしめ部分が熱収縮チューブをかけたときにでっぱりなど目立ちやすいので、マスキングテープを巻き付けて処理をします。適当にぐるぐる巻いてやってください。
USB typeA 〆
熱収縮チューブに熱を加えたいところですが、何かあるといけないのでいったん〆。最後にまとめてやります。
microBコネクタをつける
microBコネクタを付けます。手順はtypeAと概ね同様です。被覆を剥く長さが8mm程度と若干短くなる程度です。
microBコネクタにもよーくみるとRWGBと書かれています。間違えるとよくて充電専用、悪くてUSB端子クラッシャーになります。
4穴すべてに入るケーブルを選んでいますが、切断時に断面がつぶれていると特に白と緑が入りにくいと思います。断面を修正するか、銅線の被覆を少し剥いて入れやすくしてください。
また、microBコネクタはtypeAと違ってロックを掛けた時点でジャックに刺さります。typeAが実装済みなので、テストが可能です。
熱収縮チューブを収縮させる
熱収縮チューブの位置・向きを決めてからヒートガンなどで熱を加えて収縮させます。
熱収縮チューブには寸法や型番・メーカー名の刻印がはいっていることが多いです。目立って嫌だなぁと思って場合、90度回して短辺に被るようにするといい感じになると思います。副作用で収縮前でもずれにくくなる気もします。
はんだごてを使って収縮させる場合、小手先でなく根元を使ってください。具体的にはフリー素材でよく握られている絶対やけどするけど持ちやすそうな部分です。万が一こて先を使ってしまった場合、そのこて先は使えなくなることでしょう。
〆
工程は以上です。おつかれさまでした。
一番大変な部分はやはりパラコードにケーブルを通すところではないでしょうか。いい感じの薄さの筒があればウィンナーみたいにいい感じに通せるのでしょうか?
今回ははんだづけをしなくていい圧着型のコネクタを使いました。思いのほかめんどくさいです。はんだ付けをしたほうがたぶん簡単で強度もあります。辛いですね。でもはんだづけの場合は短絡と戦うことになるので短絡をしないこっちのほうが気楽でしょうか。
どんなにケーブルが絡みあっていても、一目で判別できるような警戒色のケーブルを作っていきましょう!